基本その国の法律はその国が実効支配している地域にのみ適用されます。
これを属地主義といいます。
一方、「域外適用」といって、国家が自国の法令を自国外の事象にまで拡大して適用する事があります。
アメリカの通商政策がそうだ。国際法は一定の場合、国内法令の域外適用を例外的に許容していて実はその線引きが曖昧で不確定な状態です。
2020/6/30に香港国家維持法という手段をチャイナは施行しました。これは香港を取り戻す為の一国二制度の次の手です。
これは奪われた香港に対する戦略としては理解できますが、やはりチャイナは中華主義だなーと思ったのはこの法律の37条から38条です。これに対する警報を松原仁代議士と高橋洋一先生が論じています。
問題の条文は以下のもの。
第37条 香港特別行政区の永住者または居住者、会社や団体などの法人または法人でない組織が香港特別行政区外で罪を犯した場合も、本法律に基づいて処罰される。
第38条 香港特別行政区に永住権を有しておらず、香港特別行政区外の者が香港特別行政区に対して罪を犯した者も本法律に基づいて処罰される。
何をやったら罪にあたるのかは条文をよーく読んでみたがチャイナ当局が一方的に定義できる内容に読み取れます。例えば日本人が自国のSNSとかで中国の香港政策の批判を行うと適用されるのは「国家分裂罪」「国家権力転覆罪」というちょっとビビる内容です。皆さんもよーく読んでみてください。
ちなみにこの法律、施行されているですからね。もう当てはまるんですよ。
ヤヴァイです。という事はリストに乗ると中国はもちろん中国と犯罪引渡し条約を結んでいる国に行くと香港国家維持法に基づき逮捕されちゃうリスクがわずかだが発生しているのです。「香港に自由を!」と発信している人はフランス、イタリア、スペイン、韓国とかに行くときはちょっとドキドキしてください。
なんとまあこれは。
官房長官は「遺憾」を表明していますがこれは主権侵害なので「非難」しないと。自民党は非難決議を表明しています。
チャイナは被害者ビジネスを展開しているのです。確かに被害者だったかもしれないけど、それ以上は引き出せない事を伝えるべきです。