なぜ人気者はやられてしまうのか?

日本では芸能人の薬物事件やアメリカではエクフプタイン事件のような社会道徳に触れた有名人は完膚なきまで叩き潰される。彼らにも人権を!という人もいるが当たり前だが彼らには人権はない。

これはノブリス・オブリージュという言葉に要約される。直訳は「高貴さは義務を強制する」。シャーロック・ホームズを読むと貴族がアフガニスタン戦争に行って死んだとか帰ってきたとか帰ってきたけどPTSDになってちゃってみたいな話が出てきてノブリス・オブリージュのから来ている。常備軍ができる前は貴族しか戦争できなかった。

そこからの派生としてモラルエコノミーという考え方がでてきた。特権はそれを持たない人々への義務で保たれるべきだ→主に富裕層・有名人・権力者・高学歴者が「社会の模範となるように振る舞うべきだ」という社会的責任に関して用いられる様になったのだ。アメリカを中心に各種チャリティー・バザー・財団活動・NPO活動など一見主体者が何の利益を得るのかわからない活動は良く目にするようになっている。

つまり人気者になるという事は自分の本来持っている権利と引き換えにモラルエコノミーを呑み込む事なのでプライバシーや人権がないのは当たり前なのだ。

ただそこから逃げ出す方法についてヘルマンヘッセが「デーミアン」の中でデーミアンに語らせている。

「苦労するのがいやで自分で考えたり判断したりしようとしない人間は社会が決めてくれた禁令をそのまま守っていく。そういう人間は苦労する必要がない。それに反し自分の心の命令を漢字取る人間には普通の人間が毎日大手を振ってやっている事が「禁じられている」反面、普通は絶対にいけないとされている事が「許されている」事だってある。僕たちはみな自分の行動には自分で責任を持たなくちゃいけないんだよ。」

大衆の指示を受けた人気者はいつしか社会の禁令を守る事が苦痛になっていく。そしてその禁令の幅を広べるべく己の心の表現者として活動していくことを目指す。ただそこに表現者としての才能=DNAにスイッチが入っていないと悲惨な目にあうのだ。

なのでやすやすと人気者にならない方が良いのだ。どうせなるならでかい目標を持って戦略的に。

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