レオナルド・ダ・ヴィンチはモナリザを死の直前まで手元に置き手を加え続けたように晩年に到るまで自分をアップデートし続けた。
彼の人生前半はその為の環境作りだったと思う。
彼の時代の前は中世という時代で栄光の古代ローマが滅んでルネサンスまでの約1000年間の時間軸だ。その1000年間はゲルマン民族が支配する暗黒の時代とも言われいる。その跳ね返りでルネサンス=復興運動が弾けたのだが。
ヨーロッパ中世は偉大なローマ文明が作り上げた構造物が廃墟と化してゆっくりゆっくり緑に覆い尽くされいって森に飲み込まれていったプロセスだ。どういう事かというと森に入ると目印となる高地がないヨーロッパ平野では方向感覚が無くなる。おまけに森の大半は広葉樹なので夏場は暗いし落葉時期になると腰の高さまで葉が溜まって移動が大変だ。なので全てを飲み込んでしまう恐ろしい黒い森が延々と広がっていたのだ。
同時に森の中には盗賊・追い剥ぎ・狼がいて人々を襲った。その森の海の中にポツンとポツンと村があっておっかない森を抜けるリスクを超えてまで経済が発展していなかったのでいつまでも交通が困難な状態であった。ローマ時代の城址は廃墟となっていて現在の都市の基礎となるのだが当時は平均人口200-300人ぐらいでそこにバチカンから指名された司教が辛うじて生きている状態だったそうだ。
領主や王様もいたが当時の支配者は豪族のようなものと考えていいと思う。そんな時間。
それが1000年続くとヨーロッパ人の深層意識形成にどの様な影響を与えたのかとか後にヒトラー第三帝国がゲルマンの雄叫びをあげて周辺諸国がどれだけビビったのかはなんとなく想像はできる。
でその時代の直後に生まれたレオナルド・ダヴィンチはローマの叡智が記述されているラテン語が読めなかったので遺産を継承できなかった。
そこで彼は自分にだけわかる方法で基礎研究を行い人生後半で刈り取った。その偉大な成果は今も人々を照らし続けている。多分彼は真実が何もないと思っていただろうから苦しかっただろう。多分彼はアスペルガー だったろう。
今はちょっと違う。インターネットというもので誰でも今すぐアップデートできる。
一番の問題は「求める衝動」がない事だ。
それがないとアップデートができない。
だからスティーブ・ジョブズはそれを探し続けろと言ったのだろうな。