週末に縄文時代好きが集まるイベントが山梨県の小渕沢で開催されて行ってきました。
内容は昼は土偶作りをして日暮れに縄文太鼓のイベント夜は食事をしながら国内のトップ研究者から最新研究を伺うという流れです。そこで最新研究を聞いたのですがびっくりしたことがありました。それは縄文人の定義です。
まず私たちは中国や朝鮮から海を渡ってきた人たちが縄文人になりそれから渡来系の弥生人が稲作を持ち込み融合して今の日本人を形作っていった、と考えています。もしくは最初に縄文人は北からマンモスを追いかけてきて定着したと考えている人もいるかと思います。
ところが縄文人は最近のDNA研究によりかなりユニークな存在であったことがわかってきたのです。
それは何故かというと、小難しい説明が必要なのです。まずDNA検査というとミトコンドリア検査という言葉と関連づける方も多いと思います。ところがミトコンドリア検査は母系系譜しか辿れません。
ところが技術が進み、常染色体DNAで比較ができる様になったのです。これはかなり革命的で、学術的な説明を受けたのですが大変なので、かなりはしょって言います。
まずヒトの常染色体DNAは塩基対が32億個あり、ウチ遺伝的個体差が発現する部分に限ると約400万個の塩基対です。一方のミトコンドリアDNAは約1万6500個の塩基対で、ウチ遺伝的個体差が発現する部分に限ると約100個の塩基対です。
つまり情報量でいうと32億対0.04億なので約19.4万倍の情報量の差があって、かつこの常染色体DNAは両親の系譜を遡る事が出来るのです。
3世代前だと8名、10世代前だと1,024名のご先祖のDNAを辿って比較出来る様になってしまっているのです。
で、縄文後期と言われる三貫地貝塚から発掘されたご先祖の常染色体DNAを調べたところ驚くべき事がわかったのです。
それは私たちのご先祖は「北方系でもなく南方系でもなく、アフリカを出て中東、ユーラシア、東アジア、オセアニアに拡散して行った人類の中でも、かなり古い時代に分岐した集団の子孫である」事です。
その時期はパプアニューギニア人の分岐よりも古く、そのDNAはアイヌ人とオキナワ人に受け継がれている事がわかりました。
その後、大陸から3回ぐらいに分けて渡来してきた人々と混血して今のヤマト人が出来上がったのですが、14%〜20%パーセントの割合で、古い縄文人のDNAは私たちの中に受け継がれています。
この事実だけでもかなりドラマがありますね。最近このネタで色々妄想しているというハナシでした。